センサーの違いによる温度計の種類

人や物、気体の温度を測定するために欠かせない温度計は、温度を測るセンサーの違いによっていくつかの種類に分かれています。

日常生活で目にしたことがある最もポピュラーなものは、アルコール式温度計ではないでしょうか。学校での理科の実験などで一度は手にしたことがあるでしょう。ガラスの管の中にアルコールなどを入れ、温度の変化によって体積が変わることを利用し、その変化を目盛りで読み取って測定します。最近あまり見ることがなくなった水銀体温計も、同じ原理です。これらガラス製はガラス管が壊れやすいため、安全性に欠けるという理由で、今日では使用される場面が限られています。

それに対して、丈夫さを売りにしているのが、バイメタルセンサーの温度計です。バイメタルとは二種類の金属を意味し、温度による伸縮の度合いが異なる二つの金属を貼り合わせたもので、温度変化で起こる変形を利用して温度を測定します。丈夫で安全、しかも安価なので、家庭で使う調理用器具などに使われています。水銀体温計に替わって主流になった電子体温計を始めとするデジタル温度計は、サーミスタという半導体をセンサーとして用い、温度変化にともなう電気抵抗値を計測して温度を割り出します。

安全で測定に時間がかからないので、広く使われています。赤外放射温度計は、物体から放射される赤外線量を測って温度を測定する種類で、コロナウィルスが流行してから注目されるようになった非接触式体温計やサーモグラフィはこのタイプです。触れなくても温度を測ることができるので、高温のもの・動いているもの・危険なものにも対応でき、しかもリアルタイムでスピーディーに測定できます。

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