IC温度計センサーの構造と特徴

物体の温度を測定して電気信号に変換するための素子はいくつかの種類があり、IC温度計センサーもそのひとつです。

IC温度計センサーは小型の電子部品で、温度によって電気抵抗が変化する素子と電気的な信号に変換するための集積回路がパッケージングされているという特徴があります。小さな電子部品を測定部位に取り付けるだけで、温度をモニターすることができます。素子の部分には電気抵抗の変化によって温度を検出する測温抵抗体が用いられることがあり、直線的に電気抵抗が変化する白金抵抗体などがあります。IC温度計センサーの大きなメリットは、本体が小型・軽量でデジタル信号の形で温度の値を取得することができることです。

パソコンやモバイル機器には回路の熱暴走や電池パックの劣化を防ぐ目的で温度測定機能が搭載されていますが、この部分にもIC温度計センサーが用いられています。単体の電子部品でも販売されているので、回路を自作する場合にも便利です。IC温度計センサーは小型なので電子回路に組み込むことが容易で、直接的にデジタルデータを取得することができるというメリットがあります。

動作電圧が小さくて消費電力が少なくて済むことから、モバイル機器にも多く使用されています。ただし熱電対式の素子と比べると測定範囲が狭く、-55~150°Cかそれ以下の範囲でしか使用できません。このため、工業的に使用する場合は用途が限定されてしまうというデメリットもあります。

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