HACCPの義務化について

HACCPはアメリカ発の食品の管理手法です。

食品の衛生管理の手順を視覚化することで、広範な管理を実現します。現在では多数の国々で、HACCPは義務化されています。一方日本国内で導入している割合は少ないのが実情です。その大部分は大企業が占めており、中小規模の食品製造業者への普及が待たれます。海外との取引の際には、HACCPの基準に沿った対応が必要になります。それゆえ国内では全食品業者を対象にした義務化が大きな課題となっているわけです。

当管理手法は、米国のアポロ計画の宇宙食開発において採用されてものです。宇宙食の安全性を確保するのが目的で、それが幅広い食品の衛生管理に適用されたわけです。HACCPのコンセプトは世界各国に広まり、1993年に国際食糧農業機関などの食品規格委員会でガイドラインが作られています。先進国を中心にガイドラインの採用が普及し、現在は食の安全性を担保する国際基準となっているわけです。

日本国内でも大企業を中心に導入の動きがありますが、先進国のなかでは後塵を拝しているのが実情です。国際的なイベントを控える中で、世界の注目が日本に集まっています。国内外に徹底した衛生管理の姿勢を示す必要があります。2018年には国会で、改正食品衛生法案が可決されています。これは食品の製造・加工、調理・販売を行う全業者にHACCPを義務化するものです。その中身は広域な食中毒事案への対策強化などが盛り込まれています。

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